2026年10月6日

年間休日105日は法律の下限? 計算方法と120日との違い

求人票でよく見る「年間休日105日」。 これが法律で決まっている最低ラインのように言われますが、 実は法律のどこにも「105日」とは書かれていません。 ではなぜこの数字が出てくるのか、計算で確かめます。

結論:105日は計算の結果であって、法律に書いてある数字ではない

労働基準法が決めているのは労働時間の上限だけです。

1週間に40時間、1日に8時間を超えて働かせてはならない(労働基準法32条)

休日の日数そのものは決まっていません。 決まっているのは「週1日は休ませること」(法定休日)だけで、これだけなら年52日で足ります。

では105日はどこから来るのか。「1日8時間で働くなら」という前提を置いて、 上の時間制限から逆算した数字です。

105日を計算してみる

順番に計算します。まず1年が何週あるか。

365日 ÷ 7日 = 52.14週

1週40時間までなので、1年に働ける時間の上限は、

40時間 × 52.14週 = 約2,085時間

これを1日8時間で割ると、働ける日数が出ます。

2,085時間 ÷ 8時間 = 約260.7日

365日からこれを引いたものが、必要な休日です。

365日 − 260.7日 = 約104.3日

端数を切り上げて105日。これが「年間休日105日が下限」と言われる理由です。

1日の労働時間が短ければ、休日は少なくてよい

ここが大事なところです。105日という数字は「1日8時間」が前提です。 1日の所定労働時間が短ければ、必要な休日は減ります。

1日の所定労働時間年間で働ける日数必要な年間休日
8時間約260.7日約104.3日
7時間45分約269.1日約95.9日
7時間30分約278.1日約86.9日
7時間約298.0日約67.0日

つまり「年間休日が105日未満=違法」ではありません。 1日7時間30分の職場なら、年間休日87日でも法律上は問題ありません。

求人票を比べるときは、年間休日だけを見ても意味がありません。 1日の所定労働時間とセットで見てください。

交代勤務が91日でも違法にならない理由

4直3交代などの交代勤務は、年間休日が約91日になります。 105日を大きく下回りますが、これも違法ではありません。理由は2つあります。

理由1:1日の勤務時間が短い

交代勤務は1回の勤務が7時間台に設定されていることが多く、 上の表のとおり、その場合に必要な休日は87〜96日です。91日はこの範囲に収まります。

理由2:変形労働時間制を使っている

変形労働時間制とは、1週40時間を「月単位」「年単位」の平均で守ればよい、という仕組みです。 24時間稼働の職場では、週によって勤務日数がばらつくため、この制度を使うのが一般的です。

この場合「ある週は45時間、別の週は35時間」でも、平均が40時間以内なら問題ありません。 週ごとに見ると超えているように見えても、違法ではないわけです。

詳しい勤務の回り方は4直3交代とは?にまとめています。

105日・110日・120日の違い

年間休日どんな休み方かどんな職場に多いか
125日以上 完全週休2日+祝日+夏季年末年始 大手企業、公務員
120日前後 完全週休2日+祝日 もっとも一般的な水準
110日前後 完全週休2日だが祝日は出勤 サービス業、小売、医療
105日前後 週休2日だが隔週で土曜出勤など 中小の製造業、建設
105日未満 1日の勤務が短いか、変形労働時間制 交代勤務、週6日勤務の職場

120日はどこから来るか

土日が年に約104日(52週 × 2日)。 そこに祝日が年16日あり、そのうち土日と重ならない分が十数日。 合わせて120日前後になります。

「完全週休2日制で祝日も休み」と書いてあれば、だいたいこの水準です。

求人票の落とし穴

「週休2日制」と「完全週休2日制」は違う

よく似ていますが、意味がまったく違います。

「週休2日制」と書いてある求人は、年間休日が80〜90日台のこともあります。 「完全」の2文字があるかどうかを必ず確認してください。

年間休日に有給が含まれていないか

年間休日とは、会社が最初から定めている休みの日数です。 有給休暇は本人が取るかどうかを決めるものなので、本来は含めません。

「年間休日120日(有給含む)」と書いてある場合、 実質の休みは110日前後ということになります。表記をよく見てください。

うるう年は1日増える

366日の年は、計算上の下限も約104.6日になります。 実務上は誤差の範囲ですが、カレンダーを作るときは1日ずれることを覚えておいてください。

自分の会社の年間休日を数える

就業規則に書いてあればそれが正確ですが、書いていない職場もあります。 その場合はカレンダーを1年分作って数えるのが確実です。

下のツールでは、祝日を自動で反映した年間カレンダーを作れます。 土日休み・隔週土曜・シフト制などのパターンを選べて、 日付をクリックするだけで休日と出勤日を切り替えられます。 「祝日だけど出勤」「創立記念日で休み」といった実態に合わせられるので、 出来上がった数字がそのまま自社の年間休日日数になります。

そのまま印刷して就業規則に添付することもできます。