2026年10月6日

深夜手当はいくら? 22時以降の割増と計算方法

夜勤をすると給料が増えるのは知っていても、 「1回でいくら増えているのか」を把握している人は少ないと思います。 法律で決まっている計算方法を、実際の金額で確かめます。

深夜手当とは

22時から翌朝5時までに働いた時間には、25%以上の割増賃金を払わなければならない。 これが労働基準法37条で決まっています。

大事なのは、これが会社の好意ではなく義務だという点です。 就業規則に書いていなくても、支払わなければ違法になります。

深夜手当 = 基礎時給 × 深夜の労働時間 × 0.25

「0.25」なのは、基本給にもともと1.0の分が含まれているからです。 所定の勤務時間内の夜勤なら、増える分は25%だけ。1.25倍まるごともらえるわけではありません。 ここは勘違いしやすいところです。

まず基礎時給を出す

すべての計算は基礎時給から始まります。月給制の人は、まずこれを出してください。

基礎時給 = (月給 − 除外できる手当) ÷ 1か月の平均所定労働時間

1か月の平均所定労働時間は、こう求めます。

(365日 − 年間休日) × 1日の所定労働時間 ÷ 12

実際に計算してみる

月給28万円、うち通勤手当2万円、年間休日120日、1日8時間の人で計算します。

月の平均所定労働時間(365 − 120) × 8 ÷ 12 = 163.3時間
基礎時給(280,000 − 20,000) ÷ 163.3 = 約1,592円
深夜1時間あたりの割増1,592 × 0.25 = 約398円

除外できる手当・できない手当

月給から引いてよい手当は、法律で決まっています。

除外できる除外できない
通勤手当
家族手当・扶養手当
住宅手当
別居手当・子女教育手当
賞与
役職手当
資格手当
精皆勤手当
交代勤務手当
その他すべての手当

「手当だから全部引いていい」は誤りです。 とくに交代勤務手当は除外できません。これを引いて計算している会社があれば、 基礎時給が低く出て、深夜手当も残業代も少なくなります。

さらに注意点があります。上の表で除外できる手当でも、 全員に同額で払われている場合は除外できません。 住宅手当が家賃に関係なく一律1万円なら、それは実質的に基本給の一部とみなされます。

夜勤1回でいくら増えるか

0時〜8時の夜勤を例にします。この場合、深夜にあたるのは0時〜5時の5時間です (22時〜5時が深夜なので、5時以降は通常の時間帯)。

夜勤1回の深夜手当398円 × 5時間 = 約1,990円
月8回の夜勤なら1,990円 × 8回 = 約15,900円

4直3交代(8日周期)なら、30日の月で夜勤は約7.5回。 月に1万5千円前後が深夜手当として乗っている計算になります。

これとは別に交代勤務手当を出している会社もあります。 そちらは法律の義務ではなく会社ごとの制度なので、金額はまちまちです。

残業と重なったときは50%

深夜割増は、他の割増に足し算で重なります。

状況割増率倍率この例での時給
所定内の深夜(夜勤)25%割増分のみ0.25+398円
時間外(残業)25%1.251,990円
時間外 + 深夜50%1.502,388円
時間外(月60時間超)+ 深夜75%1.752,786円
法定休日 + 深夜60%1.602,547円

ここを掛け算(1.25 × 1.25)にするのは誤りです。 25%と25%が重なれば50%。足し算です。

なお、法定休日の労働には時間外の割増が加算されません。 休日は「所定労働時間を超えた」という考え方をしないためです。 休日に何時間働いても35%(深夜なら60%)です。

月60時間を超えたら50%(見落とされやすい)

1か月の時間外労働が60時間を超えると、超えた部分の割増は50%以上になります。 以前は大企業だけでしたが、2023年4月から中小企業にも適用されています。

たとえば時間外が70時間なら、60時間までが1.25倍、残り10時間は1.50倍。 給与明細が全部1.25倍で計算されていたら、その10時間分が不足している可能性があります。

よくある疑問

管理職には深夜手当が出ないのでは?

出ます。労働基準法上の管理監督者は、時間外と休日の割増が免除されますが、 深夜割増だけは免除されません。管理職でも夜勤をすれば深夜手当が発生します。

「管理職だから一律なし」と言われている場合、それは誤りの可能性があります。

固定残業代に深夜手当は含まれる?

含まれている場合と、別立ての場合があります。 雇用契約書に「月◯時間分の時間外・深夜割増を含む」と書いてあれば含まれています。

ただしその時間数を超えた分は別途支払いが必要です。 固定残業代があっても、超えた分は請求できます。

22時ちょうどはどっち?

22時00分から深夜に入ります。21時59分までは通常、22時00分からは深夜扱いです。

深夜手当がついているか確認したい

給与明細を見てください。「深夜手当」「深夜割増」「夜勤手当」といった名目で項目が立っているはずです。 基本給に込みで一括支給されている場合は、内訳が分かる形になっていなければなりません。 何時間分の深夜割増が含まれているか明示されていない場合は、会社に確認する権利があります。

金額が合わない

よくある原因はこれです。

まず就業規則と賃金規程を確認してください。 それでも解決しなければ、労働基準監督署の総合労働相談コーナー(無料・匿名可)に相談できます。

自分の金額を計算する

下のツールに月給と労働時間を入れると、割増率を自動で当てはめて計算します。 時間外・深夜・休日の重なりも、月60時間超の50%割増も自動で判定されます。

夜勤がいつ入るかを知りたい場合は 4直3交代 シフト表 自動作成ツール、 その手取りがいくらになるかは 手取り計算ツールで確認できます。